平成29年10月1日(日)に虐待防止講演会「一人ひとりが虐待防止・権利擁護の語り部になろう!」を開催しました。
田原市障害者総合相談支援センター長 新井在慶氏にご講演いただきました。
当日は、福祉関係者の方だけでなく、教育関係、当事者の方、家族等様々な立場の方が来られ、休日のお昼にも関わらず、109名の方がご参加くださいました。
虐待は突然起こるわけではなく、差別や偏見という考えが根底にあるという話から、「虐待」「差別」「偏見」というキーワードに分けてお話して下さいました。障害者虐待に関しては、実際に起こった事例を交えて、障害福祉サービス事業所の責務を改めて感じる内容だったと思います。また、共生の社会の実現に向けて、一人ひとりの権利意識をどう変えていくかという問いかけを新井さんの熱い想いとともに、お伝え下さったと思います。
参加者の方からは
〇権利を侵害していないか考えた時に自信を持って侵害していないと言い切れないと思いました。その人の話をちゃんと聞けているのかな、理解しようとしているのかなと考えさせられました。どうしたら叶えられるかをしっかりと考えていきたい。
〇「障害者虐待防止法」が施行された背景には、被害に遭った障害のある方の怒りと悲しみの結晶であるというお話しが印象的でした。障害のある方に対する虐待が明るみに出てきて問題視されているが、現実明るみに出ていない、通報されていない事案もあるかと思います。虐待を疑われる事案を発見した場合は通報する義務があることを国民一人ひとりが意識し、少しずつでも虐待が減っていくと良いと思いました。利用者さんに対して敬意、誠意、尊重の気持ちを忘れずに今後も支援していきたいと思います。
〇「権利意識の希薄さ」という言葉が、とても印象に残りました。これからも自分の中の権利意識を常に問いながら仕事をしていきたいと思います。
〇日頃の教育活動の矛盾を突き付けられたような思いです。講演を通して子どもたちをひとりの人として関わっていこうと思います。是非今後の教育活動に活かしたいと考えています。
〇自閉症の息子がいます。東日本大震災の時のお話しは、自分事のように聞かせていただきました。私ももし災害が起きた時まず避難所を選択しないとと今日まで考えていました。まだ共生の社会という言葉が紙面上のもの、理想という印象があります。自閉症の息子を持ちながら本当は自分の中に優生思想はないのか、自分の奥底に潜む偏見はないのか、自信はないです。でも考え続けなければいけないし、少しずつ語っていかなければいけないのではないかと思いました。
等、様々な感想がありました。今回の講演会で学んだこと、感じたことを、一人ひとりが福祉事業所、家族、地域へと持ち帰り、語り部になることで、一宮市がもっと住みやすい、共生のまちになっていけるように願っています。