障害のある人の権利を死守する“まち”

 令和3年1月21日(木曜日)に、尾張西部圏域地域アドバイザー事業「障害者権利擁護研修会」を開催しました。

 例年であれば、虐待防止講演会として、広く市民の皆様にもご案内をさせていただいておりましたが、今回は新型コロナウイルスによる感染拡大防止のため、支援者の方向けとさせていただき、尾張西部圏域地域アドバイザーの野崎貴詞氏にもご協力いただいて、権利擁護研修会として開催の運びとなりました。

 

 今回は、特定非営利活動法人ふぃーる工房統括/田原市障害者総合相談センター長の新井在慶氏を講師にお招きし、初めての試みとなりますが2部制で開催をさせていただきました。

 第1部では『障害のある人の権利を死守する“まち”』をテーマに新井氏にご講演をいただきました。

 講演では、まず、自分自身の内なる差別・偏見について、新型コロナウイルスの3つの顔と呼ばれている「病気」「不安」「差別」を例に、参加者の皆さんに身近なこととして問いかけていただきました。

 その上で、障害のある方の権利や尊厳、プライドは等しく守られなければならないということを、条約や法律をもとに丁寧に伝えていただきました。優生思想やそれに関連する歴史についても触れながら、聞いていて辛くなるような場面もありましたが、参加者の皆さん一人ひとりに響く内容で語っていただきました。

 そして、障害者虐待を本気でゼロにするために、障害のある方の権利を必死で守るために、この地域でみんなで取り組んでいこうという熱い熱いメッセージを全身全霊で伝えていただきました。

 

 

 第2部では、新井氏の講演を受けて、『私たちの“まち”は障害者の虐待、権利侵害にどう向き合っているか』というテーマでシンポジウムを行いました。

 野崎氏にファシリテーターを務めていただき、稲沢市・一宮市の障害者基幹相談支援センター職員も登壇して、それぞれの市の取り組みやこれからの決意をお話させていただきました。

 新井氏、野崎氏にご助言をいただきながら、参加者の皆さんからいただいた質問についても、一つひとつじっくりと深めていくことができました。

 障害者基幹相談支援センター職員として、自分自身と向き合う時間でもありましたが、貴重な経験をさせていただく機会となりました。

 

参加者の皆さんからは、

 

○福祉、障害という狭い枠だけではなく、人間に気づいてほしい。心に刻んでいきたい講演でした。

 

○心揺さぶられる貴重なお話が聞けて、大変よい時間となりました。これまでの支援、自分自身を振り返り、反省する点も多くあり、気持ち新たに今後もやっていこうと力をいただけました。利用者さんの気持ちに耳を傾け、その思いに沿ってチームで支援を行う醍醐味をたくさんの関係者の方と共有し、よりよいまちづくりをしていけたらと思います。

 

○虐待防止委員会に参加しているのですが、講演の中で熱い思いを分かりやすく事例と共に伝えてくれこちらも本気で職員一丸となって考えていかないといけないのだなと思いました。

 

○職員のチーム力、支え合う、話し合える関係性を大切にしていくことが、質の向上につながることを改めて実感しました。「少しおかしいな」と思うことを言葉に出す、思いを共有し合えるようにするには意識の統一が必要であり、研修の大切さ、話し合う大切さを職場で共有できたらと思います。誰もが住みやすい社会は一人ではなく社会の構成員全員で目指す必要があり、この思いをより一層普及していかなければいけないと思いました。

 

 など、様々なご感想をいただきました。

 

 

 今回の研修会を開催するにあたっては、マスクやアルコール消毒、検温のほか、希望する方にはフェイスシールドの配布や出入口を分けて密を防ぐなど、出来る限りの感染防止対策を行いました。

 開催するまでは不安もありましたが、愛知県下での大きな虐待事案を受けて、このような時期だからこそ、オンライン等の画面越しではなく、新井氏の生きた言葉を届けたいと開催に至りました。

 

 皆さんから様々な気づきや刺激があったとのご意見やご感想をいただき、今回の研修会が開催できて良かったと感じております。

 新井氏の熱いエールを受けて、この圏域の障害のある方の権利を必死で守っていくために、これからも皆さんで一緒に取り組んでいけたらと思います。

 

 研修会の開催に際しまして、新井氏、野崎氏はじめ、参加者の皆さんも感染防止対策に多大なるご協力をいただきありがとうございました。